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平成19年度第2回講演会報告


テーマ:ICT分野の国際協力における産・官・学のパートナーシップを考える
ー国際協力の実践的体験者を囲んでー(2007.12.06)

次第(時間) 講 演 者 等 概      要
1 開会挨拶
  (14:00-14::10)
小嶋 弘
(JTEC専務理事)

  今、国際協力の分野は第2の鎖国の時代に入っているような状況だが、この国際協力は、逓信省出身の大先輩である大来佐武郎や初代電電公社総裁の梶井 剛が、あの戦争の反省から、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」という強い信念によって始められたものである。
内容はPDF
2 座長挨拶・問題提起
  (14:10-14:30)
佐賀 健二
(JTEC評議員、NICT招聘専門員、元亜細亜大学教授)

  WSISー2003基本宣言では、「国連ミレニアム開発目標(MDGs)を達成するためにICTの活用を推進する」と宣言し、ICTが目標達成の基本的ツールである事を明確化。ITUは2005年、「Connect the World」として、2015年までに達成すべき10項目の目標を定めた。日本も来年10月発足の新JICAに向けて、今年5月には日本経団連の提言も出ている。総務省の国際競争力懇談会では国際共生力によってWin-Winの関係を構築する事がが重要と指摘。 (内容はPDF)
3 講演(その1)
  (14:30-15:00)
プラマニク カデル博
(情報通信コンサルタント、
元JICA専門員、今年度国際協力賞受賞)

  現在、ICT分野の「MISSING LINK」はコーカサス地域と南太平洋地域である。ミクロネシアのような地域では「あらゆう援助が必要である」という事実がある。国際協力は相手国の自立の支援であるが、同時に、我が国の「生命線維持」の明確な戦略が必要。「食料資源の確保」の観点からは、マグロなどの魚資源の持続的確保は今後益々困難になってくるので、ICTによる効率的ネットの構築が不可欠。JTECをさらにオープンにして、今後の国際協力の中核とすべし。 (内容はPDF)
4 講演(その2)
  (15:00-15:30)
中島 功
(東海大学医学部
専門診療学系救命救急医学 教授)

  長年、遠隔医療の国際活動をITU-DやWHOのスキームでバングラデッシュやブータン等で行ってきた。途上国では識字率の違いもあり、先進国のシステムはそのままでは導入出来ない。遠隔医療は途上国でこそ必要。これからは、「要請」ベースから、「実行可能な案件をこちらから相手国に提案する」ベースにシフトする事が必要。WSIS宣言にもあるように、,現地ではICTをツールにしたプロジェクトに対する強い要望がある。 (内容はPDF)
5 講演(その3)
  (15:30-16:00))
阿瀬見 宏
(富士通株式会社 テレコム事業推進室シニアスタッフ)

日本経団連の1員として、5月の「経団連提言」の実行策について考えている。民間は投資効果を厳しく求められている。サーバー、コアネットワーク商品、標準化活動、アクセスネットワーク、ソリュウション事業、耐用年数、市場規模等のICTネットワーク事業環境は激変。金が無いなら優秀な頭脳を投資として活用すべし。大先輩、団塊世代、30~40代、20代が横断的に連携するスキームを構築しよう。官と民が連携し機動性を持たせるためにはJTECが中核になるべし。 (内容はPDF)
6 質疑応答
  (16:10-16:30)

座長の佐賀先生が3人のプレゼンテーションを絶賛された。会場からJTECが国際協力案件の激減の中でどのように困っているのかとの質問があり、途上国側における電気通信事業の民営化の動向や裨益効果の見えにくさ等が要因にある。ただ、我々は、創業者である大先輩達の信念に立ち返って国際協力を推進することが重要。今回のような議論を今後とも継続する為の場を設けて欲しいとの意見があった。